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いつものリセッションではない
―― 世界経済は質的に変化している

モハメド・A・エラリアン ケンブリッジ大学 クイーンズ・カレッジ学長

Not Just Another Recession: Why the Global Economy May Never Be the Same

Mohamed A. El-Erian アメリカのエコノミストで、実業家。ケンブリッジ大学 クイーンズ・カレッジ学長。ウォートン・スクール教授、ローダー研究所のシニア・グローバル・フェロー、アリアンズ・グラマシー・ファンズ・マネジメントのアドバイザー。

2023年1月号掲載論文

なぜ世界のほとんどの地域で経済成長率が鈍化しているのか。インフレが高止まりし、金融市場が不安定化しているのはなぜか。ドル高や高金利がなぜ多くの国で頭痛の種となっているか。大きな構造的変化が、これらの理由を説明する助けになる。世界はリセッションの瀬戸際に立たされているだけではない。経済・金融の奥深い転換期を迎えている。成長を抑え込む主要な要因が需要不足から供給不足へシフトし、中央銀行による量的緩和の時代が終わり、金融市場の脆弱性が高まっている。これらの変化が、個人、企業、政府に経済的、社会的、政治的影響を与えることになる。世界をより良い方向に向かわせるには、この変化を認識し、適切な舵取りを学んでいかなければならない。・・・

  • 三つの新トレンド
  • 共通の文脈
  • 変化した潮流
  • 量的緩和からインフレへ
  • 金融リスクの上昇
  • 不透明な先行き

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